監修:福岡大学医学部 皮膚科教授
今福 信一 先生

乾癬と全身の症状

乾癬とTNFαの関係

乾癬の発症や悪化には、TNFα(ティー・エヌ・エフ・アルファ)をはじめとする炎症性サイトカインが大きく関わっているとされています。
正常な免疫作用でも重要なはたらきをもつTNFαが、体内のさまざまな部位で過剰に発現することにより、乾癬では皮膚や関節の症状発現や悪化につながると考えられています。

乾癬と肥満

乾癬と肥満は関係があるの?

以前から、乾癬と肥満は関係性があると考えられてきました。
実際、BMI、体脂肪率、内臓脂肪が高いほど、皮膚症状の重症度が高かったという報告があります1)。原因は、内臓脂肪にある肥満細胞組織からもTNFαが産生され、体内の TNFαの量が増えるからだと考えられています。
このTNFαが、乾癬を悪化させるため、乾癬と肥満の改善やこれも考慮した治療が大切になります。

乾癬症状が悪化する原因の1つである肥満をコントロールするためにも、生活習慣を見直し、改善するようにしましょう。

*BMIとは…
身長と体重で計算した肥満度を判定する指標のことです。日本ではBMI25以上を肥満としています。
【 計算方法:体重(kg)÷(身長(m)×身長(m))=BMI】
170cm/80kgの患者さんの場合………
80÷(1.7×1.7)=27.68 ⇒ BMIは「27.68」となります。

1)
高橋英俊. 皮膚アレルギーフロンティア. 2009;(7)3: 31-36.